侘び茶の季節・名残りの月もいつの間にか過ぎ去り、半年の間過ごした風炉の茶も終わりとなりました。
  「柚の色づくを見て囲炉裡に」という利休居士の言葉どおりに炉を開くことに致しました。 茶の正月といわれる口切りの茶の時節にあたりますので、身をひきしめて稽古に励みたいと思います。
   
 
  写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます
 
 
 
   その年の新茶の入った茶つぼの封を切り、客に初めてふるまう茶事を「口切り」といいます。
  正式には初めに茶つぼを拝見し、後座の濃茶・薄茶に新茶を頂きますのでお茶の正月ともいわれております。
 茶家が差し出したつぼの中に濃茶・薄茶を詰めて茶師が封印しますが、近頃のように取りたての新茶をすぐに飲むのではなく半年間寝かせることにより熟成し、より豊潤な美味しい茶になると聞いております。
 私達の日常や稽古においてもある意味、同じように感じる時があります。何分にも若輩であり、何でもすぐに答を求めることばかりにとらわれがちですが、大切に暖め育てていく時を待つことも今の私達に必要な事ではないでしょうか。

“茶つぼは朱の網で美しく装われ床に飾られ口切りの時を待っています。”

  写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます
 
 
 
 
客の拝見後、口覆(くちおい)を
かけているところ
  網をかけ退出するところ
  写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます
 
 
 

 中国より契茶の法が伝来してから利休以後、茶の湯の大部分は男性でありましたが、明治になり女子の教育礼儀作法の一手段として茶道教育が始められました。それ以後現在に至りますと、もっぱら女子の人口が多く“男子の茶”をあまり目にする事も少なくなったといわれております。ところで戦国時代の茶の湯で少し興味をひいた話があります。豊臣秀吉が北条氏を討伐していた時の事、ある武将(黒田孝高)を茶会に招き、数時間にわたり軍議をこらしたといいます。秀吉は「これが茶の湯の徳というものであり茶室以外の場で対座して密談を交わしたなら色々とあやしまれ、憶測を招くであろう」と言ったそうです。この時代の茶の湯は大義名分を持ってことをなしていたということもあるのでしょうか。 それはともかくとして、多くの男子に茶の湯を自分の生活の中に取り入れ楽しみを持つゆとりを味わって欲しいと心から願いたいと思います。

 
  男子点前 薄茶 茶碗の拝見
  (男子客振り)
  ひざを寄せ、手渡しにて濃茶を飲み廻す
 
    薄茶を飲む 飲み口を指でぬぐう
  写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます
 
  「和敬清寂」(わけいせいじゃく)
 

先月(10月・・・名残り)茶事の稽古を致しました。全体を通しての反省もしきりですが、主客共の緊張感も良い経験となりました。茶事は人と人(主客)が一服のお茶を中心に相和するものといわれます。 初座の懐石の席では和やかに、後座の濃茶の席では静寂と緊張の中で二刻(4時間)を過ごします。

席中の優雅さ?とは反対に水屋でのあわたださは筆舌につくしがたい程。常に表裏一体、相手の心になり物事を考える良い勉強となりました。

来月は歳暮となります。

     
<献立>
向付 - 鯛こぶじめ・莫大海・菊
汁 - みずほ
煮物椀 - うずらの丸・三つ葉じく・ゆず
焼物 - 鰆幽奄焼
炊き合せ - 吹き寄せ
進肴 - ひじき・サーモン、ひら茸
箸洗い - 松の実・梅
八寸 - エビ黄身手毬・ゆり根梅肉
香物 - 大根・胡瓜・芝漬
稽古茶事の風景
( 煮物椀を出す)
「八寸」(はっすん)
海の物 - 海老の黄味手まり
山の物 - ゆり根 梅肉
◎千鳥の盃・・・八寸の頃お酒を酌み交わします。
(お酒の肴)→八寸
主客共に千鳥がけのようにお酒をくみかわす。千鳥足のようでもあり和やかです。
参考に…
今回の茶事の献立とは違います。 飯器、焼物、進肴など正客より順次取りまわす。
  写真をクリックすると拡大写真がご覧いただけます
 
 
 
   
 
秋の深まりと共にいろづいた葉が風に吹かれて舞い落ちる風情は日本ならではの景色。わずかに黄色味を残した紅葉の菓子。

▼四季菓「鶴吉青柳」
   
       
東京都豊島区南池袋2-41-17 TEL:03-3981-0752 お稽古は?   入会したい
あなたは...
いろいろ
聞いてみたい!!